歯科金属アレルギーの診断と治療法の現在(資料)
はじめに「歯科金属アレルギーの診断と治療法の現在」
現代社会のさまざまな環境変化、多様化する食生活により、目にみえない人間自身の免疫機能の障害あるいは変化が起こり、花粉症やアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患の炎症がますます増加している。
また、歯科臨床においても歯科材料をアレルゲンとするアレルギ一性疾患が増加し、それらアレルギー患者はネックレスやピアスなどの装飾品による金属アレルギーに関する既往も多く、歯科用金属によるアレルギー報告も年々増加傾向にある。
わが国では、1970年代に中山による扁平苔鮮の報告と金屑アレルギー起因の掌蹠膿疱症の報告を筆頭に、金属によるアレルギーの発現例が数多く報告されている。それら症状の多くは、口内炎、湿疹、扁平苔癬のほか、舌病症、掌蹠膿疱症、接触性皮膚炎などの多種多様にわたる。長年歯科臨床に携わっていて、口腔内外にも目を向けると、これらの疾患に遭遇する頻度も高まっている。
私たちは、過去10年間東北大学病院に皮膚および粘膜症状を主訴に来院した患者の歯科用金属アレルギー各種検査や、歯科領域の抗原除去療法により金属アレルギー患者に対応してきた。
それら臨床成績に基づき、現在の歯科用金属アレルギーの診断法および臨床症例数が多い掌蹠膿疱症、扁平苔癬および接触性皮膚炎の診断、医科を含めた治療法、さらにそれら疾患における金屑アレルギーの位置づけについて紹介する。
- はじめに「歯科金属アレルギーの診断と治療法の現在」
- 東北大学病院における金属アレルギー患者の動態
- 金属アレルギー患者の診断法
- 金属アレルギー関連疾患の診断および治療法
- まとめ「これからの歯科金属アレルギーの治療について」
- 「一般歯科医が行える金属アレルギーの対応(.wmv」 歯朋星陵会学術講演会における講演資料
2013年6月1日更新